必要な決断とは?

結婚生活が始まると、家事の多さに苦労し、夫婦が一緒に過ごす時間を作ることが大変だと気付く。結婚生活を充実させたいという思いは男女ともにあるが、まだまだ会社というフィールドにおいては女性が決断を迫られることが多い。妻が家事の中心を担い、出産や育児を行う考え方が根強いが、そのほうが合理的であるという意見もある。しかし、例え女性であっても正社員として働く以上、男性と同じレベルでの活躍が求められるし、そのレベルで働きたいという女性も多い。

そうなると休暇がきっちりと取得できる職場や残業が少ない環境を求めて転職をする決断に迫られる。入社する前に産休や職場復帰について調べておくべきと言えばそれまでであるが、一つの会社で働くことで蓄積されるキャリアや技術があり、転職が多くなることは当人の人生にもマイナスであるし、社会全体にとってもマイナスになる。労働力人口の減少を見据え、国は女性が活躍できる社会を作ることを目的に様々な取り組みを行ってはいるが、一企業のレベルにまでその考え方は浸透していない。

その理由は簡単なことで、企業にとって都合が悪いからである。少人数のエキスパートに多くの仕事をさせるほうが効率が良いのである。ワーク・ライフ・バランスの充実は男性も含めて労働者全体の利益になる。過労死の問題やブラックバイトなど、労働に関する問題は今でも多発しているが、社会全体がもう少し寛容になり、働きやすい環境を作るべきなのではないだろうか。人生の充実のために敢えて非正規社員として働く選択も否定されるべきものではない。早く改善されるべきではあるが、今は結婚をすると女性が決断を迫られることが多く、結婚を機に転職もやむを得ないといえるのだろう。